
パリ五輪も終わり、2024年もあと4か月ちょっとですね。時間が去っていくのが、すげーはぇーので腰が抜けちゃいそうですけど、のろまで愚図なくせに短気な割には結構着実に決めたタスクが今のとこギリこなせている貴重な年になっています。
ここ数年、本はいっつも速読と言う名の飛ばし読みばかりしていたのですが、ちょっと考えるところが出来て、今年はやたらと丁寧に読み、読書後に更にまとめてみるという、時代に逆らう敢えてのねっちっこい読み方をしながら、以前読んだものを再読しています。
・・まるで初めて読んだかのような新鮮さを強すぎなほど感じたり、新しい発見がやたらと多過ぎるのはどういう訳なのかという思いは、まぁ後で考えたくなったら気のすむまで反省するとして、とにかく自分の能力的問題のせいでしょうけれど、かなり心と頭に残したい言葉が留まってくれるので、こっから先は飽きるまではこの読書法で読んでいこうと考えています。
一言一句、句読点でさえ気にしちゃうよ?の粘着読みに難があるとするならば、読める本が月に2冊程度になってしまうのでかなり厳選しないといかんということくらいでしょうか。
今年読んだ本は21世紀とは思えない本が多かったです。ニーチェの『善悪の彼』を再読した時、学生の頃に読んだ時は難解でしつこくて訳わからん、俺バカだからお手上げだよマイハニーと思った(←※堂々と言うことではありませんが、私は真正の生粋のバカです。以後失礼は多々多々あるかと思いますが、心の広さの限界まであしからずでお願いします)記憶がこんなにパンキッシュで、理想的な古典を土台にした前衛的さを持ったお方だったのかと大興奮してしまい、きっかけに『道徳の系譜』、『この人をみよ』と胸を高まらせながら続けて読み、エラく感動しました。
危うくニーチェのカッコよさを知らないまま、一生を終えるところだったかと思うと・・。人として生まれ、しかもある程度のほほんとしていられる環境で人間として育てたというのに非常に勿体ないですから、危ないところでした。
ねちねち読みでかつて読んだことのあるものや気になった本を読んでいますと、これまで生きてきた過程で、もう十分かっけー物事は知っていると一人勝手に自負していましたけれど、まだまだ全然分かってないな、とんでもないわと深く反省しました。そしてすっかり死語になってしまったテヘペロしながら、ニーチェのまとめをノートにせっせと書き込んでいたところ、唐突に花村氏の『ハイドロサルファイトコンク』を買っただけで読んでなかったことを思い出して、続いては花村氏の作品を数冊読みました。
花村氏は大きめの賞を受賞されていた頃、ご本人のキャラや存在感があまりにもインパクトが強すぎて、それだけでお腹いっぱいと思ってしまっていました。作品にまで興味が行かずセックス&ヴァイオレンスの人という読んでもないのにそういうイメージだけで読みたい対象から外れていた時期がとても長かったです。
でも花村萬月という名前は頭にいつも残っていて、平積みにされている新刊本などは良く目にしていた記憶があります。
もう一つ花村氏について強く記憶しているのが、私がエロ雑誌のライターのバイトをしていたすんごい昔に、ソープ〇ンドの広告にお言葉を書かれていたのがかなり好印象だったことです。当時阿部譲二氏が絶賛!とでかでかと書いてある風俗店の広告よりはインパクトは正直弱めでしたけれど、私はそんな仕事を引き受ける花村氏に作品を読んだこともないくせに好感を持ちました。
おそらくお高めのソー〇ランドの広告に自筆みたいな文字で寄稿していた花村氏。品があるとかこういうお店で遊ぶべるのは男としての幸福みたいな感じのことが書いてあったように記憶していますが、なにせ頭のネジが確実に数個は外れて食べちゃっているので趣旨が違っていたらすみません。
私がこの広告で花村氏がいいなと思ったのは、所謂その・・なんの根拠か日本語をパンピー達より知ってるんだぜ?頭の出来が違うんだぜ?のような気持ちが拠り所なのか、やたらと気取っていて私は文学界でしか息しません、そんな俺と関りが持ててちょいとインテリな感じがして嬉しいだろ?そうだろ?ってな感じで銀座の飲み屋のお姉さん達に(見た目だけなら、ただの微妙な禿げで非モテ感丸出しのチー牛おじさんのくせに)偉そーに語っているのが毛穴から醸し出している一般的な先生方とは、この仕事をされていることではっきりくっきり一線を画している気がしたからです。尚且つしっかり売れている(ように見える)花村氏はかっこいいなと素直に思い、セックス&ヴァイオレンスにはさほど興味がないのですけれども、作品はいつか時間があったら読みたいなと考えていました。そして、時は過ぎまくり、去年2023年に『ハイドロサルファイトコンク』をとうとうAmazonで購入した次第です。
本の内容を予め花村氏のインタビュー記事を読んでいたので知っていて、恐らく命を削る思いで書かれた作品だと思うと心して読まねばいかんと気合ばっかり入り過ぎてしまい、机の横の本棚の飾り本になってしまっていたものを、ニーチェ読後でパンクでイケてる言葉に頭が慣れていた今なら読める気がすると、今年の春に粘り気のある読み方ですが一気に読みました。
そして花村氏にちょっと興味が出て色もその後読みました。何というか感想という立派な思いは申し訳ないくらいに思いつかなかったのですけれど、非常に読みやすい文章を書かれる先生なんだなと思いました。
なるほど・・というよくわからない読後の気持ちを持ちつつ本棚の整理をしていたら、もう何度も読み返しているはずの澁澤龍彦氏の『洞窟の肖像』が目に入り、ねっとりと読んだら何か違うかしらと読み始めました。
澁澤氏の本のなかで『洞窟の肖像』を一番読み返しているのですが、それは大好きでしょうがなくて学生時代からお気に入り&とっておきの便せんに書いてトイレに張りつけているコクトーの詩を翻訳している箇所があるからです。もうこの翻訳が素晴らしくてコクトーは何だか・・様々な作品全体的にどうにも山師っぽいあの空気感がなんか伝わって来てしまって好きになれなかったのですけど、この澁澤氏翻訳の詩だけは大好き過ぎて、今でもトイレにもフランス語版とともにずっと貼ってありますし、もうン十年スケジュール帳の一ページ目には必ず書き込んで日に一度は必ず目に入るようにしているくらい好きなんです。
しかしかなり頻繁に手に取っている本ですら、今一度一言一句をチー牛らしく反芻し放題で読み返していたら、こんな箇所あったっけというクールだったり乱暴だったりと最高な美しい日本語での澁澤節があちらこちらに散りばめられていて、これまでで一番感動しました。
お次は澁澤氏と言ったらサドだよなぁと『ソドム百二十日』など読み返すぅ?とも考えたのですが、サドは読み返したい気持ちになれなかったのは、まだ私が人間としてダメな奴過ぎるからでしょう。でもサド関連がいいなと思い、バタイユの『小説と悪』を読みました。
感想は、バタイユ・・あんた最高過ぎるですけど?でございます。豪奢はともかく至高への真摯な追及の姿勢には、途中までは半笑いで読んでいましたけれど、最後の方では涙がこみ上げてくるくらい感動しました。サドをディスってるのか褒めているのか分からない感じも素晴らしいです。
何より何より、読み終えた後、本棚にまたしまったところを眺めていて、なんちゅう完璧な題名の本や・・とウットリしました。
日本でのバタイユの作品の題には愛とセンスがあり過ぎていて、題名だけで至高な感じがします。『文学と悪』なんて題名がついた本、買うしかないでしょ。読まなくても持っていたいでしょ。電子ブックで読むなんてダサい。題を見せつけるようにして、1人でも多くの方に通勤電車でドヤ顔しながら読んで頂きたいと思います(善良そうな風貌の方ならなお最高に素敵です)。
それから二見書房から出ていた澁澤龍彦氏翻訳の『エロティシズム』、同シリーズの生田耕作氏翻訳の『眼球譚』、『呪われた部分』をアマゾンの中古やメルカリで購入して、べろべろと嘗めるように読み、至高性万歳ワールドを堪能させてもらいました。
もう少ししたらその時一緒に手に入れた『ロートレアモンとサド』と、今突然ブーム再来しているガルシアマルケスの推し本、オイディプス王のどちらにしようか考えている最中です。オサレさんな女子の方ですとロートレアモンと聞くとアパレルショップをイメージしちゃう方もいらっしゃるでしょうけれども、これは作家の侯爵の方です。(サドが女装癖があってこの店の服を着まくってたとかいう話だったらそれもそれで面白いですけど)
こんな感じで今年は内容の濃い読書をさせてもらっています。
全体的に古めかし過ぎるのがちょい微妙ですね。21世紀になってもう何十年も経つし、令和なんだし、もうちょっと今を感じさせるものが周りにあってもいいなとも思うのですけれど、興味持てることしか好きになれなくて、気になることが自分でいつの時代よ?とツッコミ入れたくなるようなことがほとんど過ぎなのでアレですけど、でも後半には少し今どき感のするものも読みたいなと考えています。
2024年年明けから8月現在までに読んだ本をまとめてみたので、題名はほぼ作家の方達の名前なのですが、並べてみたらなんかいい感じだな、かっこいいな、この間にどんな形でもいいから溶け込んでしまいたいなという願いを込めて自分と言う言葉も入れてみました。偉人たちの間というより、この方たちの脳内にでーんと存在しているだろう至高性の隙間に入り込みたいという感じです。・・何言っているか分からない方、ここまで読んでいただいたのに申し訳ありません。
なんか微妙に分かるぞと思って頂けた方、いつまでそう思って頂けるか分からないですけれど、またこんな感じのを書いてしまうと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。






